自己満足的数独(ナンプレ)プレイ記録である。前回はこちら。
タネ本のニコリ編著『ポケット数独 上級篇1』(ソフトバンク クリエイティブ) は、P90の83から難易度9段階中最難度の Level9 に突入した。だが Level7 から 8 に変化したときもそうだったが、ステップ状に難度が上がるわけではなく少しずつやっかいになっているという体感だった。やっかいというのは終盤まで絞り込めなくて残る数字の候補が増えていくという意味で、特別な解法は前回12月4日曜日付ならびに 前々回11月30日付 拙記事にて述べた「仮称:2の2の3」を最後に出現していない。
今回ネタにするのは、タネ本P100の93である。私は問題をExcelシート上に転写して解いている。いつもの通り初期値を背景色黄色で示す。
今回は序盤のスクリーンショットを多めに貼る。私の解き方は、最初に1から順にローカル呼称「飛車にらみ」など初等テクニックで埋められる空白マスを埋めていく。
その際に同一3×3ブロック中で入るマスが2択となる数字が見つかったら、1巡目から赤フォントで小さくメモする。入るマスが2択以上の候補数字のメモは、少なくとも2巡目以降に行う。まあ3巡目以降である。このさいメモは黒フォントで書き込む。「2択先書き法・改」とローカル呼称している解法テクニックである。
1は、埋められるマスもメモできる2択マスもなかった。
2は、中段中央3×3ブロックの下から4行目に2択となるマスが見つかり、これらのマスの横にらみにより最右列下から5行目(上から5行目でもある)の2が確定した。
こうした解法をかつては「どっちに入ってもこっちしか残っていないだろう」とローカル呼称していたが、長いので他の数独サイトの用語「半確定ライン」に切り替えようと以前書いたことがある。しかしさらにその後「ロックされた候補」という呼称を用いているサイトの方が多そうであるのを見つけ、さらにその呼称が英語の "locked candidates" の訳語であることを知るに及んで、どうやらこれが最もメジャーな呼称のようであることに遅まきながら気づいた。
長い名称が嫌だと言いながら、説明がどんどん長くなる一方だな。
ともあれ、この「どっちに入ってもこっちしか残っていないだろう」あるいは「半確定ライン」あるいは「ロックされた候補」により確定した2も、さらに新たな候補の絞り込みに遠慮なく使う。右側上段3×3ブロック中に2の入る可能性が2択となる空白マスが見つかったので、メモする。
続いて3。飛車にらみにより、中段右側3×3ブロック中の右から2列目と、中段左側3×3ブロック中の左から2列目に「ロックされた候補」が見つかり…
それぞれ列方向の飛車にらみにより、上から2行目右から3列目と、下から2行目左から3列目の空白マスに3が埋められることがわかる。なんだか点対称だな。
4によっては、新たに埋められるマスも2択となる候補も見つけられなかった。
5の2択となるマスを、いくつかメモ書きした。
6については、最右列下から2行目の空白マスが2択候補になるので、一つのマスの中に5、6とメモ書きしたのだが…
次に7に対するチェックを行うと、最右列下から1行目と2行目が2択になることがわかる。これは5と7がこの2つの空白マスで「2国同盟」を構成しているということで、最右列下から2行目の6ははじき飛ばされてしまう(もしここに6が入ると残り1つのマスに5と7二つの数字は入れられない
すなわち2択の片割れの、右から3列目下から2行目の6が確定する。
2国同盟は重要な手がかりなので、メモ書きのフォントを大きくしている。最右列および右側下段3×3ブロックの残りの空白マスには、もう5と7は入れられないことがわかるからだ。
8の2択マスも、赤フォントでメモした。
9のチェックを行うと、右側中段3×3ブロック中の右から2列目に3との2国同盟が見つかり…
ロックされた候補により下から3行目右から3列目の9が確定する。
2国同盟といいロックされた候補といい、かように2択というのは重要な意味を持つ。
ところで実はこれまで、ブログにアップするときはフォントを黒に戻していたが、手元で解くときにはフォントを色分けしていた。Excelのカラーパレットの順に「最初に確定された数字はフォント濃い赤、最初に確定された数字を手がかりに2番目に確定された数字は赤、1、2番目を手がかりに3番目はオレンジ…」といった具合で、あとで自分の記憶を追っかける必要が生じたときの手がかりのつもりである。
他にもブログに公開していない小技をいくつか使っているが、あまり意味がないと思われるものはざっくり省略していた。今回に限りオチへの伏線のため公開する。
色分けが多すぎて目がチカチカするが、好きでやっていることである。
1に戻って、ふたたび初等解法のチェックを行う。この問題の場合、右側の上段、中段、下段3×3ブロックがすべて確定された数字かまたは2国同盟で埋まったことが、特徴的に感じられた。
前述の通り、2択とならない候補数字のメモ書きは黒フォントで行っている。
空白マスに入る数字の候補を埋め尽くした時点で、左から3列目上から5行目の4(フォント色薄い緑)が、ローカル呼称「総消去法」で確定していることがわかった。
すなわち…
1、2、3…左から3列目と上から5行目にある
5、7…上から5行目にある
6、8、9…左から3列目にある
ということで、このマスに入れられる数字は4しかない。
このような解法を、英文サイトでは "naked single" と呼んでいるようだ。それに倣って日本語サイトでも「裸のシングル」と呼んでいるサイトが多数ある。
だがあまり名が体を表しているように思えないなぁ。弊ブログでは「総消去法」というローカル呼称で押し通そうと思う。
ともあれこの4が決定したことにより、左から3列目上から3行目の5と左から5列目上から5行目の6が決定する。フォント色はExcel色パレットの順で緑にした。
また、いくつかの空白マスの候補から4を除くことができる。ただしフォントの色を目立たぬ灰色にして、メモ書き自体は最後まで残している。ローカル呼称「候補メモ最後まで残す法」である。
連鎖的に、最左列上から5行目の8と、左から3列目下から3行目の7が確定し…
上から2行目の9も確定する。
この9が上段右側3×3ブロックの2択の7の片割れを消すため、残った最左列上か2行目の7が確定した。
こうして定まった数字により、空白マスに入る数字の候補から除外できるものを除外してゆくと、中段左側3×3ブロック中の最左列に6と9の2国同盟が現れる!
くどいようだが2国同盟はとにかく強力なのだ!これにより最左列および中段左側3×3ブロック中の候補から、6と9が一気に除外できる。もし2国同盟以外の空白マスに6か9が入るとしたら、2つのマスに入る数字の候補が1つしか残らないので不足を来すからだ。
この結果、左から2列目で9が入れられる空白マスは最下行しか残っていないため、ここに9が確定する。ちなみにExcelのフォント色パレットは右端が紫なので、それ以降は黒を用いる。
同様に下から2行目に4と5の2国同盟が見つかるなどして、あとは一瀉千里で最終形までたどり着けた。gifアニメ化は 前回12月4日付記事同様、よすことにした。
すでにLevel9の問題を10問ほど解いたが、どれも総消去法、2国同盟、3国同盟および変形3国同盟の範囲で解けてしまった。
いらんことだが英語サイトでは2国同盟を "naked pair"、3国同盟を "naked triple" と呼んでいた。日本語サイトでも「裸のペア」「裸のトリプル」としているサイトもあった。ローカル呼称「総消去法」"naked single" と同じくくりなのだな。見つけ方はちょっと違う気がするが。
さらにいらんことだが、これ誤解を招きそうな名称じゃない? うちのブログでは、これまで通り2国同盟、3国同盟で行くか。
最終形はこんな形になった。タネ本P125 ANSWERS と一致している。
これまでと見ばえが違うのは、フォント色を黒に戻さなかったためだが…
完成したExcelファイルを保存しようとしたら「同じ名前のファイルが既に存在します。上書きしますか?」と怒られた。
エクスプローラーを開いたら、同じ問題をすでにやっていたではないか!
右側の3×3ブロックに2国同盟が集中するなど、わりと特徴的な問題だと思ったのに、解いたことを全く覚えていなかったのは、どういうことなんだ??
もともとExcelで解いた数独のシートを保存したり、ときおりブログネタにしたりしするのは、解いたハナから速やかに忘れてしまうことがもったいなく感じたからである。
だから、すでに解いた問題を気づかず2度3度やってしまうことは、ありうるだろうとは思っていたのだが…なんだかショック。