しいたげられた🍄しいたけ

#あらゆる戦争に反対します

『笑点』←『氷点』のようにパロディが長寿化して元ネタがわからなくなった事例集

収集ボックスとしてのエントリーを作っておこう。「収集癖」にカテゴリーした拙記事の常で、あとで思い出したことがあれば随時、追加してゆく予定。

昨日付拙記事で「一人はみんなのために、みんなは一人のために(One for all, all for one)」はラグビーのスローガンだと思ったら、確認のためぐぐったところ元ネタはデュマ『三銃士』のようだったと書いた。

さらにさかのぼると、ラテン語の成句があるそうだ。へぇ。

Unus pro omnibus, omnes pro uno - Wikipedia

 

それで思い出した。X旧ツイッターで、このポストが大喜利状態になっていたのだった。

引用しといて悪いけど、「トマソン」は個人的には気に入らない。プロ野球読売巨人の外国人選手 wikipedia:ゲーリー・トマソン も赤瀬川原平『超芸術トマソン』も、今どき説明がなきゃ通じないんじゃなかろうか。それになにより個人攻撃っぽいところが、好きになれない。

 

代表例は『笑点』と『氷点』で、いいんじゃないだろうか。書いて気づいたけど『笑点』だから「大喜利」だし。

『笑点』は1966年から続く日本テレビの長寿人気番組だが、番組名の元ネタが1965年刊行の三浦綾子のベストセラー『氷点』であることは有名。『氷点』もまた、ほぼ古典と言うべきロングセラーになっていて、Amazonで調べると今でも新刊が手に入るのだが。

 

と言いつつFF外から、こんなリプを投入させていただきました。きつねずしと太巻き→揚巻→助六というのは、別のところでも何度か使ったことがある。

 

上掲の 白樺香澄と宿屋ヒルベルト さんのポストは、リプライと引用RTが事例集のようになっていて読み飽きない。印象深いポストはいろいろあったのだが、もう一件、これも貼らせていただきたい。

 

杜黙、知らんかった! 気の毒状態が長く続いているという意味では、トマソンのはるか上を行っているのだな。

yoji.jitenon.jp

 

しかしそうすると「パロディと元ネタ」と「故事成語」の区別が、あいまいのような。

ぱっと思いついたところによると「完璧」が「wikipedia:和氏の璧〔かしのへき〕 を完〔まっと〕うする」から出たのも、このカテゴリーに入れられないか? 春秋戦国は宋代より、ずっと古いぞ。

dictionary.sanseido-publ.co.jp

「和氏の璧」自体にもエピソードがいろいろあったことを、この機会にぐぐって初めて知った。中国古代のことで陰惨なものが多いため閲覧注意。あと漢帝国の伝国の玉璽が和氏の璧を加工したものというのは、いくらなんでも盛りすぎでしょ (個人の感想

卞和 - Wikipedia

 

故事成語がアリだとしたら、他にもいっぱいありそう。他に思いついた事例として『刺客列伝』wikipedia:荊軻 に出てくる「徐夫人の匕首」も、いわくありそうに思えたのだが、こちらは検索しても荊軻伝以外のエピソードは出てこなかった。徐夫人は戦国末期よりさらに古い春秋期の、越国の伝説的な刀匠とウィキペには書いてあったが。

 

これも貼りたい。FFさんへのリプだが元ポストが「まじで?>RT」の1行だけで、どういう文脈だったか思い出せずサルベージもできなかったので気になるけど。

 

そう、シルベスター・スタローンの長寿シリーズ『ロッキー』の第一作には、実話の元ネタがあるのだ。

林壮一『マイノリティーの拳』プロローグから、少し長くなるが引用。『マイノリティー』は文庫版が出ているが、私が持っているのは単行本版なのでページはそちらのものである。

 1975年3月、オハイオ州クリーブランドで”ザ・グレイティスト“モハメド・アリが防衛戦を闘った。モハメド・アリとはボクシング史上、最強にして最高の輝きを誇った世界へビー級チャンピオンである。この試合は33歳のアリにとって、2度目の王座獲得後、初めての防衛戦に当たっていた。
 挑戦者には、チャック・ウェプナーというホワイト・ヘビーが選ばれた。ウェプナーはアリにとって、安全なチャレンジャーに過ぎなかった。「噛ませ犬」と呼んだ方が適切かもしれない。
 ウェプナーはボクシングだけでは生活できず、昼は酒屋の配達、夜は工場の警備員をやりながらリングに上がる35歳だった。アリを相手にしたウェプナーが勝つ可能性など、万に一つも無かった。
<中略>
 この日のアリは、明らかにコンディションが悪かった。ウェプナーを見下して、満足にトレーニングを積まなかったのだ。ザ・グレイティストは、テクニックもスピードも無く、大振りのパンチを繰り出すだけの伏兵に苦戦を強いられた。
 第9ラウンド1分44秒。ウェプナーの右ボディーフックを浴びたアリは腰からダウンする。 ウェプナーが闘志と持ち前の喧嘩ボクシングで、ザ・グレイティストを追い詰めたのである。
 ダウンを喫して、ようやくチャンピオンに火が付く。それまでは、ジャブだけで軽くあしらっていたが、コンビネーションを放つようになる。インターバル中もずっと立ったまま休息していたが、椅子を使用し始めた。
 挑戦者は捨て身で闘い続けるが、本気になったアリを止めることは叶わない。無数のコンビネーションを浴び、最終15ラウンドにノックアウトされる。試合終了のゴングまで四秒というところで、ウェプナーは力尽きた。

林壮一『マイノリティーの拳』P8~9

かっこええ! (;Д;)

本当は中略せず全文を引用したかったが、著作権への配慮のつもりでやめておく。もしこれでもどっかから怒られたら消します。

 

続きを読むと、試合を見てメチャメチャに感動した一人が若き無名時代のスタローンだったそうだ。そして、わずか3日で『ロッキー』の脚本を書き上げたという。

売り込みをかけたところ評判は上々で、巨額の買い取りのオファーが出たが「私自身が演じないと意味がない」と断り、完成した作品は5650万ドルの売り上げとアカデミー賞を獲得するのである。

 

アポロ・クリードがモハメド・アリに比定されることは、英語版wikipediaの最後の方に書いてあった。

Apollo Creed - Wikipedia

スタローンによる主人公ロッキー・バルボアの、見るからに不器用そうだが一発当たれば破壊力抜群という演技は、強烈に印象に残っている。実際に試合を見たわけではないが、ウェプナーというボクサーの名前も憶えておきたいと切に思う。

 

まだあった。やはりFF外の方への拙リプ。

 

こんなリプ返しを頂きました。感謝です。

 

ガイナックス&カラーの元ネタをほじくるとキリがないというのは措いといて、いちおう説明すると『まごころを君に』はダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』が映画化されたときの、最初の邦題である。今調べたら『アルジャーノンに花束を』は、何度も映像化されているらしい。

エヴァ旧劇場版のサブタイトルに読点「、」が入っているのは著作権トラブルよけだと想像される。類例としてNHKラジオドラマ&テレビドラマ『君の名は』とアニメ映画『君の名は。』とか。

こちらの元祖は太宰治『人間失格』とTBS金曜ドラマの『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』じゃなかったかな。たしかドラマのタイトルも当初『人間失格』だったが、当時はまだ太宰の著作権が生きていて権利者からクレームがついたから中黒「・」をつけ加えたはず。

うろ覚えの記憶に頼って書いており、検索かけたけど裏どりできなかったので間違っているかも知れない。

 

『アルジャーノンに花束を』は何度も映像化されているとのことだから、一度くらいアニメ化したら面白いかも知れない。アルジャーノンのキャラクターを作ったら、「ちいかわ」みたいにヒットしないかな。

いや、そんなキャラがぞんざいな扱いを受けたとしたら、マジ逆上するかも知れない。

とか何とか考えていたところへ、こんなニュースが。あの小説を読んでこういうモノを作ろうという発想になる神経が、どう考えても理解できない。「表現の自由」があるから誰が何を作ろうと勝手だが、「心底軽蔑する」とだけは言わせてもらう。

topics.smt.docomo.ne.jp

 

追記:

これも収録しよう。id:dokidokidoctor さんの7月25日付エントリーに…通知お騒がせします。

dokidokidoctor.hatenablog.com

 

次のような駄コメを投入しました。お目汚し失礼しました。

ビキニの美女だ 若き日の夢

実写かマンガ(アニメ)かは内緒です。

高橋留美子作『うる星やつら』ヒロインの名前「ラム」は、初代クラリオンガールのアグネス・ラムから採ったものとのこと。

『うる星やつら』はアニメがリメイクされたりして若い人にもそこそこ知名度あるはずだが、1970年代半ば以降に爆発的な人気を誇ったハワイ出身のモデルさんは、今や忘れ去られているんじゃないだろうか。

なお『うる星…』の元々のヒロインは「三宅しのぶ」という登場人物で、ラムちゃんは当初ゲストキャラだったが人気が出たので取って代わったそうだ。とすると、しのぶは今でいう「負けヒロイン」だろうか。

いつも思うんだけど、若い人は年長者に影響されてか古いサブカルをけっこう知っているが、年寄りは若い人の流行りを知るだけでも大変です (´Д`;

うる星やつら

 

追記:(7/29)

蛙男商会さんの「秘密結社 鷹の爪」は、目下、朝日新聞とコラボ連載もしている現役だが…現役って何だよ?

digital.asahi.com

 

元ネタが川内康範原作のTVシリーズ『月光仮面』の敵役「サタンの爪」であることは、かなりの年配じゃなきゃわからないネタになってしまった。

月光仮面

月光仮面

  • 大瀬康一
Amazon

 

さらに高齢ヲタクは、永井豪先生によるパロディ『けっこう仮面』に「サタンの足の爪」という敵ボスが出てきたことも憶えているはず。

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