- 作者: 中島らも
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/10/16
- メディア: 文庫
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短編集。表題作は、落語の師匠の通夜の席で、通夜にあるまじき不謹慎なエピソードの披露合戦になるというパターンの連作。ヤマやオチはない。
解説によると、著者が劇団仲間の落語家から聞いたエピソードを、そのまま活字にしたものらしい。エッセイとネタがかぶっているものもある。まあこの著者の場合、ネタの使いまわしはめずらしいことではないが。
ちょっと気になったのが収録二本目の『寝ずの番II』の冒頭。
橋次兄さんが死んだ。
故・橋鶴師匠の一番弟子で五十一歳。これから咄に味が出てこようという若さでの急逝だった。
飲み屋の雑居ビルの三階から階段落ちになって、打ちどころが悪くて、脳内出血で死んでしまったのだ。
(p45)
著者と死因がそっくりではないか!しかも著者の享年五十二歳と一年違い。少し気味の悪い偶然の一致。