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反児童虐待・書籍寄贈の旅(その5)MIHO MUSEUM曜変天目展&帰途に滋賀県立図書館

滋賀県の MIHO MUSEUM〔ミホミュージアム〕というところで「国宝 窯変天目と破草鞋」〔ようへんてんもくとはそうあい〕という特別展をやっているので、実家の身内を伴って行ってきた。

身内は「開運!なんでも鑑定団」という TV番組が大好きなのだ。曜変天目茶碗というと、まさにその番組の鑑定をめぐってちょっとした騒ぎがあったが、そういうことを気にするタイプではない。

 私自身は、骨董というものの値打ちが全くわからない。だが日本に現存する国宝指定の曜変天目茶碗三点すべてが、ほぼ同時期に公開されるというニュースは覚えていた。

digital.asahi.com


先陣を切って公開される MIHO MUSEUM はカーナビで調べると、中京圏から高速道路を使えば2時間ほどで行けるようだ。

さらに調べると、目下「反児童虐待・書籍寄贈の旅」と銘打って目的地に設定している都道府県立図書館のうち、滋賀県立図書館がまさにどんぴしゃり経路上にあるではないか!

というわけで、行ってみた。

www.miho.or.jp

 

今シリーズ勝手に恒例のマップ貼り。単独行であれば信楽高原鉄道を使うっきゃないところであるが、今回はそうでないので車を使った。

 

えらく山の中だった。ショッピングセンターを思わせる4フロアの無料駐車場完備だった。手前のガラス張りの建物は、チケット売り場兼バス待合室。

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しかし駐車場からレセプション棟まで、約300mほども離れている。

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レセプション棟の前に掲げられていたペルシャ絨毯風の幟。

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レセプション棟というのは、インフォメーション、レストラン、土産物売場などがある建物だ。そしてこちらにもチケット売り場がある。ここが美術館ではないのだ。

レセプション棟前の広場。

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レセプション棟から美術館棟までは、さらに約600m離れている。

そしてその経路には、なんとトンネルと谷をまたぐ橋があるのだ!

パンフレットから絵地図をスキャンさせて貼らせていただきます。下がレセプション棟、上が美術館棟。

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パンフレット “MIHO MUSEUM” より。以下同じ。

 

美術館棟への歩道の左右には、しだれ桜が植えられていた。

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ツボミはふくらんでいたが、見頃はもう少し先のようだった。

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トンネル入り口。歩行者用道路ではあるが、足弱の人のために無料の電気自動車が約15分間隔で運行している。

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トンネル内部。

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トンネル出口から橋と美術館棟を望む。

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美術館棟。入母屋風だがガラス屋根である。

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エントランス。

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フロアガイドを、やはりパンフレットからスキャンさせていただきます。

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南館が常設展で、1F に「エジプト」、B1Fに「西アジア」、「ギリシア・ローマ」、「南アジア」、「中国、聖域」の展示室がある。

企画展は北館でやっていた。

 

「エジプト」室には、等身大よりややちょっと大きい神像から、手のひらに乗るようなカバの像まで、数は多いとは言えないが印象的な美術品が集められていた。

エジプトの美術品は、制作年代を見ると「紀元前三千年紀~二千年紀」なんてことがサラっと書いてあったりして、驚いたりする。ここに限ったことではないが。

パンフレットから写真を一枚引用させてください。「隼頭神像」〔じゅんとうしんぞう〕というのだそうだ。

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パンフレットより説明書きも引用。

隼頭神像 エジプト 第19王朝初期頃 紀元前1295-1213頃
金、銀、ラピスラズリ、水晶、エジプシャン・ブルー

 

「西アジア」室はイランやメソポタミアの美術品が展示されている。エジプトに比べるとなじみが薄いが、制作年代の古さはエジプトに引けをとらない。

金製品と容器が多かった。いくつか展示されていた「リュトン」という動物の角型の容器が気になった。手に持っていなければ倒れちゃうじゃないか。あと横山光輝のマンガ『水滸伝』に登場人物が角の容器で酒を酌み交わしているシーンがあり、駒田信二訳の講談社文庫の注釈に「角というのは単位」 と書いてあったので「これミスだよなぁ」と思っていたが、案外正しかったのかも知れない。

やはりパンフレットより一枚引用。

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精霊と従者浮彫 イラク北東部 ニムルド北西宮殿 新アッシリア(紀元前883-859)石灰岩
牡牛装飾脚杯 イラン北西部 紀元前12-11世紀 金
猛禽装飾杯 イラン北西部 紀元前12-11世紀 金

 牡牛装飾脚杯と猛禽装飾杯は、容器に胴体が彫刻されており、容器から飛び出した注ぎ口に頭部が彫刻されている。

 

「ギリシア・ローマ」室は比較的狭く、展示物も限られていた。フレスコ画が壁一面に展示されていたのが目を引いた。

 

「西アジア」室にはパキスタンやアフガニスタンの仏像が集められていた。点数は少ないが、印を結んだブッダ坐像、仏頭、仏足跡などがあり、日本の仏像のルーツがこの地域にあったことが伺われる。

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仏立像 ガンダーラ 2世紀後半期 片岩

 

南館でいちばんスペースが広かったのは「中国・西域」室だった。入ってすぐのところに「重要文化財 耀変天目」('曜' ではない)というのが展示されていて、ぎょっとした。今回の企画展のメインである「国宝 曜変天目」とは別物だそうで、南宋時代制作・加賀前田家伝来の品だそうだ。茶道の茶碗のサイズで、真っ暗な中に上から照明が当てられており、内側の一部が本当に虹色というか玉虫色に輝いて見えた。

いかにも古代中国らしい青銅器から展示が始まるのだが、「鴟梟卣」〔しきょうゆう〕とか「方罍」〔ほうらい〕とか「鐓」〔たい〕とか、漢字が読めない! 「占の中にコ」とか「田×4+缶」とか「金ヘンに敦」とかメモしておいて、あとで調べた。「卣」と「罍」は酒を入れる容器、「鐓」はいしづきという意味だそうだ。

時代が下るにしたがって、これまで「西アジア」や「南アジア」で見た展示物の影響が明らかな展示物が増えるような気がした。レセプション棟の前に掲げられていたペルシャ絨毯風の幟のオリジナルは、この展示室に展示されていた「メダイヨン・動物文絨毯」らしかった。もしこれが「ユーラシアは一体」ということを実感させるための仕掛けだとしたら、たいしたものだと思った。その東端のターミナルが日本文化というのは、シルクロードを語るときなどに、よく言われる。

 

展示物の一覧が公式HPにあった。下のほうの「展示作品」というリンクから、個別の展示物の詳細情報がたどれた。すごい!

www.miho.or.jp

 

北館企画展「大徳寺、龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋」のパンフレット表紙をスキャンして貼る。

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目録によると展示物200点を超える、かなり規模の大きい企画展であった。メインはもちろん国宝曜変天目だろうが、龍光院の始祖・江月宋玩〔こうげつそうがん〕禅師の生涯と事績の紹介に力点が置かれているようだった。曜変天目を借り出すために大徳寺の協力を得るためかな、と思ってしまった。館内に僧形さんの姿が多く目についたし。

「破草鞋」〔はそうあい〕というのは破れたぞうりのことで、そういう展示物があったわけではない。曜変天目のような値段のつけられないものも、破れぞうりのような価値がないものも、本質に変わりはないということのようで、いかにも禅宗的な発想の展示会タイトルだと思った。 

展示物は江月禅師木像から随筆・日記まで多岐にわたったが、油滴天目、ただの天目と、天目とつく茶碗だけで三点あった。国宝曜変天目だけは専用ブースに一点だけ展示と、明らかに特別扱いされていたけど。ひょっとしたら「天目」というだけならメチャメチャ珍しいものではないのかも知れないが、詳しくないから正確なところはわからない。

 

館内の撮影は遠慮していたが、見回すと写真を撮っている人が、けっこういた。さすがに展示物にカメラを向けている人は見かけなかったが。

北館の中庭の写真を一枚だけ撮らせてもらった。庭石はパンフレットによると「佐治石」というのだそうだ。

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帰りは無料の電気自動車に乗せてもらった。人が歩くほどのスピードでの安全運転だ。

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レセプション棟前広場で下車したところ。

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もう、沈黙はしない・・性虐待トラウマを超えて

もう、沈黙はしない・・性虐待トラウマを超えて

 

 

帰途、滋賀県立図書館に寄った。MIHO MUSEUM 前から県道12号、16号、43号とたどると、つまりほぼ直進すると、滋賀県医大付属病院に隣接して県立図書館の所在する「びわこ文化公園」というところにたどり着くのだ。

さらに、そのすぐそばに名神高速道路の草津田上インターがある。

 

無料駐車場を出たところの案内板。

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道標。見えている建物は滋賀県埋蔵文化センターである。県立美術館もあるし、ここを単独で目的地としてもよかったかも。そういうことは後で考えつくものだが。

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「びわこ文化公園」の看板。

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門標。

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玄関の向かいに銅像が立っていた。台座の銘は「沐浴」。

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わかりにくいけど玄関。入ってすぐの左手にカウンターがあった。

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今回も 矢川冬 さんの2月28日付エントリー 中にあった文面に、日付と宛先をつけ加えた送り状をプリントアウトして、一緒に持参した。

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カウンターで用件を伝えると、窓口の人はまず書名で蔵書を検索し、すでに収蔵されていないかをチェックした。そして寄贈担当者さんを呼び出してくれた。

担当者さんは口頭で「審査不適合の場合の処分は一任する」と「礼状は出さない」ということでよければ受け入れる、とのことだった。いずれもイエスと答えると、送り状ともども受け取ってくれた。今回は書類は書かなかった。

同行者に「友人が本を出して、原則先払いのPOD(プリントオンデマンド)なので図書館が買ってくれなくて、仕方がないので手分けして…」と説明するのは気恥ずかしかったが、それで納得してくれたのか幸い特にツッコミはされなかった。

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