わざわざ自ブログにエントリーを立てるまでもなく、ウィキペディアの項目へのリンクを貼れば済むことではあったのだが…
タイの王は昔、自分の嫌いな家臣に白い象を贈った。贈られたほうは、白い象など珍しいもので、しかも王から贈られたものだからまさか捨ててしまうわけにもいかない。すなわち、森の中に逃がしたり、あるいは殺したりは絶対にできない。ところが象だから大食らいであるため莫大な金がかかり、しかも物を踏みつぶすので、家の中が目茶苦茶になるが、それでも捨てることもできず、その家臣はほとほと困ってしまう…というものである[2]。
[2] というのは脚注で、クリックすると ”語学春秋社「早わかり 英熟語」110頁 初版1996年 宮崎尊” と表示される。学習参考書のようだ。
思えば私も英語の "white elephant" という熟語は、受験勉強で覚えたように記憶している。実際に使った経験はない。
確認のため weblio英和辞典に当たったところ、もう一掘りしたくなった。浅い掘りではあるが。
上掲項目の「例文検索結果」に、こんなものがあった。
white elephant on which {Samantabhadra} rides
普賢菩薩が乗っている白象 - EDR日英対訳辞書
The statue of Taishakuten wears a helmet and rides a white elephant with his left foot down.
帝釈天像は甲を着け、白象に乗り、左脚を踏み下げる。 - Wikipedia日英京都関連文書対訳コーパス
仏教好きとしては、普賢菩薩や帝釈天が出てくるだけで、少し嬉しくなってしまった。なんで英文中の普賢菩薩が梵語のサマンタバドラで帝釈天がむしろ有名なインドラ(Indra)でないのか少し気になるが、出典が違うとそんなものだろう。
普賢菩薩は釈迦三尊像で文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍を務めるが、ゾウに乗った姿で描かれることがある。「普賢菩薩 - Wikipedia」の画像をエンベッドさせていただきます。ちなみに他の脇侍である文殊菩薩は、獅子に乗った姿で描かれることがある。
帝釈天もゾウに乗ってたっけ? と思って検索したら、そうそう、東寺講堂のいわゆる「立体曼荼羅」中の像が騎象像だったのだ。だが普賢菩薩に比べると騎象像や騎象画は少ないんじゃないかな? ちゃんと調べたわけではないけど。
やはり「帝釈天 - Wikipedia」中の画像をエンベッドにてお借りします。Weblio の例文は、この像を描写しているのかな?
これもちなみに、帝釈天は梵天とペアを組むことが多いが、東寺講堂の梵天像は4羽の鵞鳥が支える蓮花の上に座すという独特の姿をしている。
今回の拙エントリーの最初にリンクを貼ったウィキペ「白象 (動物)」の初めの方には、白象を集めたタイの王様が何人か出てくる。言うまでもなくタイは仏教国であり、ひょっとしたら家臣にゾウをプレゼントしたという伝説の王様は、決して悪意があったわけではなく、結果として家臣がまさか捨ててしまうわけにもいかず困惑することまで想像が回らなかっただけではないか、という気が強くするのである。
けっきょく何が言いたいかというと、いや、その、何だ…
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