ごく私的なことで、他人にうまく伝わるかどうか、また他人にとって意味があるかわからないが、個人のブログなので記録しておく。
11月1日に行われた、大阪市を廃止して4つの特別区に再編する案(いわゆる「大阪都構想」だがこの呼称への疑問は多く出されている)に対する住民投票に関連してである。
報道されているように、結果は反対が上回って否決されたもののその差は僅少だった。
によると
▽「反対」69万2996票。
▽「賛成」67万5829票。
とのこと。
私のこの住民投票に関する関心は、決して高くなかった。大阪市のことは大阪市民が決めればいいと思っていた。
ところが私のツイッターのタイムラインに流れてきたツイートは、ほぼほぼ否決歓迎一色だった! 一色ということはないにせよ、否決を喜ぶツイートが圧倒的に多かった。
ブログカードを貼った NHK 記事のブックマークコメントを読むと、「はてな」のことでやはり否決歓迎が優勢のようであるが、我がタイムラインほどではない。
それってどういうこと?
タイムラインは個々人の性格が反映されるのが当然とは言え、ここまで明確に色分けされるとはびっくり! ひょっとしてこれが wikipedia:エコーチェンバー現象 というやつだろうか?
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以下、否決を歓迎するツイートの論旨をざっくりとまとめてみる。
1-1) 「大阪都構想」と言われながら住民投票で可決されても、大阪が都になるわけではない
1-2)東京をモデルとし4つに再編される特別区の権限は、実は市町村より弱い
1-3) 仮に政令指定都市に戻りたくても、法律がないので戻れない
各論点について、私のタイムラインに流れてきたリツイートや拡散記事をランダムに拾っていく。
東京の「特別区」は現在も、全国の市町村に認められている「用途地域」の権限すら奪われている。世田谷区の「固定資産税」「法人住民税」を徴収しているのは都税事務所で、財政調整制度で配分される。財布の紐を誰が握っているかが問題だ。東京都の差配で各区の配分が決まる。自治権拡充はなお道半ば。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) 2020年10月27日
もう少し詳しい情報はないかと検索して、去年の記事だがこんなものを見つけた。
それに対する再編賛成派の意見を探すと、ツイッターでは直接対抗する言論を見つけることはできなかった。ぜんぜんないはずはなく探し方が不十分だっただけだと思うが。
いらんことだが論拠のない罵詈讒謗、多いよね。双方のサイドとも。いや、一度は言っとくべきか。
賛成派の方のブログで、再編された4特別区の権限は中核都市に匹敵するという主張を見つけた。ただし政令指定都市より権限が低下することに変わりはなく、権限が強ければよいのであれば1段階にせよ3段階にせよなぜわざわざ降格させるのか私にはよくわからなかった。
今問題にしたいのは、賛成派の意見が探しに行かなければ見つからなかったことだが。
2-1) 大阪市財政局が、市が四分割されると「基準財政需要額」(毎年必要なコスト)が約218億円増えると試算していたことが報道された
2-2) 上記報道に対し大阪市の松井市長は財政局長を「厳重注意」し、財政局長は記者会見を開いて試算を撤回したが、これは松井市長によるパワハラではないのか?
これ明らかに言わされてるよね#大阪市財政局頑張れ pic.twitter.com/FVX8FOuNdQ
— EMIL@国会を見よう (@emil418) 2020年10月30日
私の個人的感想としては、この印象が最悪だった。森友問題に関連する近畿財務局の 赤木俊夫 さんの件や、桜を見る会をめぐるホテルオークラやANAホテルの領収書の件を思い出さざるを得なかった。
もし大阪市民だったら、これだけで反対票を投じていただろう。
これも賛成派の方のサイトを見に行くと「毎日新聞の誤報」または「デマ」ということになっていたが。
「誤報」「デマ」というのは、探すとツイッターにも多かった。
ただし約218億円のコスト増を報じたのは毎日新聞だけではなかった。マスコミを悪者にするのは、見慣れた権力者の常套手段である。
もっと言うと先鞭をつけたのは日経新聞だったというツイートを見かけた記憶もあるが、ソースのサルベージはできなかった。
3-1) 住民投票は5年前にもやって決着済みのはずなのに、なぜこの時期にもう一度やるのか?
3-2) そもそも住民投票やってる場合か? コロナ禍対策が先だろ!?
「なぜ今?」については、橋下徹 氏が公明党との密約(?)を堂々とテレビカメラの前で喋っているこのツイートを、たくさんの人がリツイートしていた。
橋下さんの口から公明党との密約を暴露されているので発信します。
— 都構想よりコロナ対策@相互フォロー歓迎 (@osakatokosono) 2020年11月1日
「急ぎすぎと言うけど公明党と握ったわけですよ、衆議院選のイスを維新は公明党に譲る代わりに賛成になってもらった。衆議院選の後に投票だとこの約束がどうなるかわからない。その前にやらないといけない。」
コロナより、、、そこ pic.twitter.com/oVizcmT1yZ
また気がついたら、大阪府の新型コロナウイルス新規感染者数はしばしば東京都を上回るようになっていた。11月2日付の共同通信の報道から。
一部、引用。自治体HPによると大阪府の人口は約882万人、東京都は約1,397万人だそうだ。
国内で1日、新たに614人の新型コロナウイルス感染者が確認された。大阪123人、東京116人、北海道69人、神奈川66人など。死者は長野と大阪で各2人、千葉と福岡で各1人の計6人が報告された。
またこんなリツイートも流れてきた。
この間おおむね2週間に1度のペースで開催されてきた大阪府新型コロナウイルス対策本部会議は、10月8日を最後に1カ月近く開かれていません。
— たつみコータロー 前参議院議員 日本共産党 (@kotarotatsumi) 2020年11月3日
【速報】きょう3日、大阪府で新たに156人が感染 74日ぶりの150人超え(読売テレビ)#Yahooニュースhttps://t.co/pyDwpppeTS
この たつみコータロー さんのツイートは「はてな」ホッテントリにもなっており、「開いたら開いたで文句を言ってただろ」というブコメもついていた。ただしそのブコメは賛成派というよりアンチ・たつみコータロー さんというかアンチ共産党としての意見かも知れない。
真偽の怪しいツイートとして、大阪市はまだ特別定額給付金を配り切れていないというものもあった。住所不定などの理由で特別定額給付金の給付漏れはどの自治体にもあると思われるが、それでも今年6月下旬の報道で給付率3.1%と大阪市がワーストだったことを思い出すきっかけにはなった。
というわけで「大阪のことは大阪の人で決めてくれ」と言いながら、私はやはり反対派で、その心情が自分のタイムラインに反映されたのかも知れない。そう考えると、ちょっと怖くもある。
ただし大阪市の分割・再編は「答え合わせのできない問題」であり、可決されても否決されても「それが正解だったか?」を知るすべはない。今後、大阪市が発展するのか衰退するのか、発展するにせよ衰退するにせよそのスピードは加速したのか減速したのか、比較のしようがないのだ。
そのようなイシューで住民を2分するような議案の発動は、エネルギーの無駄遣いというか、そもそも最初から悪手だったのではないかという疑念が拭えない。
しかも2度にわたって!
これは「はてな匿名ダイアリー」だけど。
「徒抗争」という当て字をどこかで見かけて「巧いな」と思ったことがあるが、最初に言い出したのは誰だろう? IMEの誤変換という気もしないでもないが。
むしろ「自分たちが住んでいる地域のことを自分たちで決められない」という現実があることこそが、もっと大きな問題かも知れない。
今ツイッター検索をかけたもので、タイムラインで見たものと同じかとうかは自信がないが、FF外から引用失礼します。
大阪都構想は反対多数。
— 元 山 仁 士 郎 (@Jin46o) 2020年11月1日
法律は違えど、「トップ」があれだけ賛成している中で、示された民意、結果をしっかり尊重するというのはうらやましいやっさ…
喜ばしいことだけど、沖縄からするとうらやましく、悲しい気持ちになってしまった。#大阪都構想 #辺野古県民投票#沖縄県民投票 pic.twitter.com/ChspLiB6Vb
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