たびたび書いていることだが、今次の参院選に際して、いくつかの党派が在日外国人、高齢者、障害や持病を持った人たちを標的に、デマ・ウソで攻撃し分断を煽っている。
はっきり言う。怖い! これは暴力に等しい。
不幸中の幸いというか、メディアは選挙中でもファクトチェックを積極的に行うという方針を決めたとのこと。
直前のいくつかの重要な選挙で目を覆うべきメチャクチャな運動が展開され、命を落とした人までが何人も出た反省を踏まえたものであろう。いささか遅きに失したうらみはあるが、やらないよりはるかにマシなことも確かである。
そんなでまずは各社ファクトチェックのうち、在日外国人・訪日外国人に関するブログカードを集めてみた。単なる収集癖の発露である。
私自身に関しては高齢者や持病持ちに関わるデマがいちばん切実なのだが、単純に枚数が多く集まったからというのが外国人関係から始める理由である。
それに外国人を尊重しない人たちは、どうせ日本人も尊重しないのだ。
まずは✖「外国人の犯罪が増えている」。
要約すると
・外国人の犯罪が増えているという事実はない
・日本人の犯罪率と外国人の犯罪率は、ほぼ同じ
Yahoo!ニュース(ABCニュース)田辺俊介早大文学学術院教授の
田辺教授:本来必要なのは、外国人の困りごとなどにきちんと手当できるような司令塔です。
という言葉は、特筆大書の必要が感じられた。
✖「外国人は不起訴が多い」
前掲の項目に対する反論として出てくるのが「外国人の犯罪が少ないのは、外国人が起訴されないからだ」で、これも誤りとされている。
つか説明のない不起訴が多すぎることが、現代日本社会の問題だと考える。自民党裏金脱税議員たちの大量不起訴とか。
✖「外国人から相続税を取りようがない」
✖「生活保護は外国人ばかり」
✖「外国人に生活保護受給権はない」
これもまた現代日本において、生活保護の捕捉率(保護が受けられる生活水準で実際に保護を受けている人の割合)が3割程度と低すぎることこそが問題なのだ。
✖「参院選前に75歳以上の中国人へのビザの要件を緩和」
なんだそれ? と思いつつ「中国人5000万人移民計画」という、もっと荒唐無稽なデマもあった。電脳藻屑 (id:nou_yunyun) さん引用失礼します。通知お騒がせします。
✖「中国人留学生が優遇されている」
ここでも日本人向けの奨学金が「学生ローン」と呼ばれるほど返済が過酷であることや、日本の国家予算に占める文教予算の割合がOECD36か国中下から3番目であることなどが思い浮かぶ。
不満の矛先が外国人デマに向かうという構図が、あちこちで共通しているのではなかろうか。
メディアによるファクトチェックはまだだけど、これもチェックしてほしいなぁ。
少し以前のものだが、永江一石氏の個人ブログによるファクトチェックはあった。中国人による日本の土地や不動産の大量買い占めという事実はないそうだ。ただし個人的感想としては、この人の嘲笑的口調は好きではない。
収集癖とカテゴリーした拙記事の常で、あとから追記する可能性が高いです。
一旦の締めとして、このブログカードを貼ろう。
拙過去記事に書いたことの繰り返しだが、外国人排斥、外国人差別は、第一義的に人権侵害だからやるべきではない。
実利的観点から、現代日本で訪日外国人観光客や外国人技能実習生がいなくなったら、困るのは日本人自身である。
外国人による犯罪は、日本人の犯罪と同様に取り締まるのが当然である。在日米軍の話、します?
不動産の買い占めや家賃のつり上げに関しては、ルール作りで対処するべきだ。まだちゃんと材料を集めていないが、現行の法制下でもある程度の対応はできるそうだ。
これは外国人オーナー関係ない記事だが。
何度でも繰り返す。外国人を大事にしない勢力は、日本人も大事にしない。もしインバウンド観光客と技能実習生がゼロになったら、我々の生活は今よりもっと困窮する。そのときデマで外国人を攻撃していた連中は、次はデマで日本人の少数者を攻撃するだろう。
「誰一人取り残さない政治」という対抗スローガンが、すでにちゃんとあるではないか! 我々の誰もが持っている少数派の属性をターゲットに、いつ自分が攻撃されるかわからないような社会を望みますか? 私は望みません。
追記:(7/16)
✖「外国人の健康保険未納が年間4000億円」
わがX旧ツイッターTLに流れてきた万バズポスト。またしても「外国人排斥は日本人の不満の仮託」という仮説を傍証してくれている。
今年もフリーランサーの知り合いから、国保料が失神するほど高いと連絡が来た。自営業者の人は「国保料が高くて生活ができない!」悲鳴を上げている。みんな貯金を崩すしかないと言っている。国保料という名目の重税だよ。国民の健康のための制度が国民を生きていけないようにしている。
— まりなちゃん (@t2PrW6hArJWQR5S) 2025年7月16日
追記おわり
※ 当初公開した時点では、このあとに7月15日に急遽浮上した参政党候補者のロシアメディア出演の話題をつけ加えていたのですが、別のエントリーとして独立させることにし削除しました。
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