しいたげられたしいたけ

災害時のデマ、絶対ダメ!

反児童虐待・書籍寄贈の旅(その3)三重県立図書館&四日市市立図書館

またしても苦痛なニュースが報道された。渋谷区の児童養護施設の施設長が、元入所者だった20代の男に刺殺されたというのだ。

児童養護施設で施設長刺され死亡、20代男逮捕 渋谷 :日本経済新聞

いろいろな報道をまとめると、男は母親との折り合いが悪くて施設に入所し、出所してからはアパートで暮らしていたがトラブルを起こしてネットカフェに寝泊まりするようになり、動機について「施設に対して恨みがあった。関係者なら誰でもよかった」と話しているということであった。

この事件に関しては、断片的な報道の寄せ集めではどうしても情報不足の感は否めず、何かの判断をしても不正確なものになるだけであろう。だがそこに「虐待の連鎖」のようなものの存在を、想像しないではいられない。

 

そう想像する理由は、直前にこんなネット記事を読んだことだけなのだが。

bunshun.jp

ライターの 吉川ばんび さんは「情報弱者の貧困層をバカにする人、搾取する人 | 文春オンライン」という記事がたいへん話題になった方である。吉川 さんは、自分の育った家庭をつぎのように描写する。

父は私の誕生日も知らない。祝ってもらったこともない。休日、父は朝から酒を飲んで寝るだけで、母は布団から出てこずに「死にたい」と泣いている。兄はイライラすると私や母を殴り、蹴りつけ、金をせびり、金が底をつくと「体を売って稼いでこい」と罵声を浴びせる。父はそんな私たちを気にかけることもなく、唯一怒鳴り声をあげるのは、見ているテレビの音が兄の大声のせいで聞こえないときだけ。

上掲記事 1ページ より 

そしてご両親に関して、次のように書く。

私の両親もまた、機能不全家族で育った「見えざる弱者」でした。母は子どもの頃より借金狂いの祖父から暴力を受けていましたし、父は家族がいなかったため、今も「家族のあり方」を知りません。母だけでなく父もまた、精神疾患を抱えているのです。

 上掲記事 3ページ より

吉川 さんは、ご自分の家族の状態を「貧困の連鎖」の事例として紹介している。確かにそうだと思う。だがそれに加えて、「虐待の連鎖」とでも言うべきものも読み取らずにはいられない。

吉川 さんの抱える生々しい心の傷については、どうかリンク先の記事を直接ご参照いただきたい。貧困の連鎖から抜け出すのに想像を超える困難が伴うのと同様に、虐待の連鎖を断ち切ることにも、尋常ならざる本人と周囲の努力が必要となるのではないかと考えた次第である。

 

吉川さんの記事は、“想像以上にたくさんの「見えざる弱者」がいる” と題された節で締めくくられている。先月、mashley(id:mashley_slt)さんが、こんな記事を公開されました。リンク失礼します。

www.mashley1203.com

嫁氏 さんが幼少期に身内から受けた虐待の経験が、生々しく綴られています。嫁氏 さんがその記憶が原因で生じる様々な障害と闘ってこられたことと、戦争経験者の Cさん や mashley さんご本人がそれを支えてこられたことに、心からの尊敬を感じないではいられません。

 

今回のシリーズには、多くの方からコメントやブックマークコメントをいただき感謝しています。そのうち一件だけ引用させてください。

反児童虐待・書籍寄贈の旅(その1)岐阜県図書館 - しいたげられたしいたけ

実際「助けたい」という欲を満たすとか、「助けないと自分が辛い」という我欲は間違いなくある。けど、それが無くなったら終わりだと思う。私の家族も、その欲によって救われてきたから

2019/02/21 12:30

b.hatena.ne.jp

b:id:ribbentrop189 さんの用いられた「我欲」という語は、まさしく私の心情を的確に表現するものでした。過酷なニュースに接する苦痛から逃れたいという自分のエゴイズムを、たまたま現在シェルターの設立と著書の全国図書館への寄贈という実践行動をなさっている 矢川冬(id:yagawafuyu)さんに仮託しているにすぎないという現実は、直視しなければならないと思っています。同時に、私のやっていることがわずかでも 矢川 さんへの助力につながればよし、不要なプレッシャーを与えるなどゆめ不利益にならないことを、祈るばかりです。

矢川 さんのシェルターには、深い心の傷を抱えた少女たちが入所することでしょう。そこにはどんな予測のつかないトラブルが発生しないとも限りません。きわめて聡明であり、また塾経営者として多くの生徒さんたちと接してこられた経験をお持ちの 矢川 さんですから、適切に対処されることと思います。ですがもし私になにかできそうなことがあれば、どうかおっしゃってください。新幹線に乗って駆けつけますから。

 

冒頭の渋谷の事件に戻って、児童養護施設については知らないことばかりなので、せめて情報収集にと、亡くなられた施設長さんが著者として名を連ねている書籍を Amazon で購入しました。これから読みます。 

子どもの未来をあきらめない 施設で育った子どもの自立支援

子どもの未来をあきらめない 施設で育った子どもの自立支援

 

 

今週は 前回の「その2」 で予告した通り、三重県立図書館 と 四日市市市立図書館 に行った。

まずは三重県立図書館。県庁所在地の津市にある。

 

JRの「快速みえ」を使った。1時間に1本だけど、特急券がいらないので自由席を使うと近鉄特急より割安なのだ。

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名古屋から津までは1時間弱。今回から「旅行」タグを追加したけど、まだまだ通勤圏内で旅というほどじゃないなぁ。

 

県立図書館のある三重県総合文化センターというところまでは、徒歩でも行っていけなさそうでもなかったが、津駅西口から出ているバスがちょうどよい時間だったので利用した。

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バスを撮ったけど、直後に判明したのだがここは降車場でここから乗ることはできず、乗車場は写真奥の道路を隔てたところにあったのだった。慣れていないことは悲しい。

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三重県総合文化センターの建物をバス停越しに。このバス停は帰途に利用したもので、下車したのは反対車線に見える方だった。だがご覧の通りの大きさで、道路の反対側からでも建物の全景はスマホカメラに収まりきらなかった。

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バス停を降りたところのロータリーとモニュメント。

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建物の壁面に取り付けられた銘板。上の写真には左端に、ほんのちょっとだけかかっている。

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文化会館のフロアガイド。

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図書館の位置がわかりやすいよう接写してみた。下の方に緑色で表示されている。

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エスカレータで2階に上がった。

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中庭つか1Fの屋上つかに、よくわからないオブジェがあった。自治体施設のオブジェはわけがわからないものが多いが、これはひときわわからない。

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上の写真の左手に、図書館への入口があった。

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エントランス。カウンターはこの壁画の裏側あたりにあった。

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カウンターにいた職員さんに声をかけ、本を寄贈したいことを伝えると、3Fの事務室に案内され、寄贈担当の職員さんに紹介された。

例によって「友人が出版したが、原則先払いのPOD(プリントオンデマンド)なので図書館で購入してもらえない。だから手分けして寄贈している」と説明した。

そうしたら寄贈担当の職員は「自費出版なのか?」「一般の書店で購入できるのか?」など、他の図書館では訊かれなかったことを尋ねてきた。「PODです。今どきどんどん増えています」「Amazon で普通に購入できます」等々、回答した。

裏表紙のバーコードを見て「ISBN取ってますね」と、ようやく納得してくれた様子。

たぶん担当者の個性によるもので、規則ではないと思う。

 

断って撮らせてもらった寄贈申込書。なんでいつも申し合わせたように写りが悪いんだろう?

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「審査がある」「受け入れられなかった場合の処分は図書館に一任」は、これまでの県立図書館と同じ説明を受けた。

 

すみません、矢川 さんの最新エントリーには、図書館に対して強調してほしい資料価値が明記してありましたが、それを説明する心の余裕がありませんでした。

yagawafuyu.hatenablog.com

次からはサンプルの文言を事前に印刷して、一緒に持って行こう。そういうことは私の場合、たいてい後になってから思いつくのだ(恥

〇〇〇〇図書館様

矢川冬著「もう、沈黙はしない。。性虐待トラウマを超えて」を寄贈させて頂きました。
「PTSD心理鑑定書」と「戸籍名変更審判書」の公文書ふたつは、一般の人の目にすることがほとんどない資料です。日本で公開しているのはこの本だけですので資料価値の高い本です。ぜひ、貴館にご収蔵のほど宜しくお願い申し上げます。

矢川冬

 

バス停でバスの本数を調べると、一時間に一本か二本だった。次のバスが来るまでの間、文化センターに隣接している「三重県総合博物館」というのを観ることにした。

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エントランスの掲示。建物の全景は撮るのを忘れた。そういうことは私の場合、たいてい後になって…

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代わりになるかどうか、貰ったパンフレットをスキャンしたものを貼ってみる。表面。

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裏面。

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この日は企画展はお休みで、常設展だけの展示だった。

最初に430万年~300万年前に生息していたというミエゾウの、巨大な全身復元骨格の展示が目に飛び込んできた。

順路に従って進むと、まず三重県の地質学的な説明があり、「ブラタモリ」に出てきそうな岩石標本が展示してあった。あとゾウの化石とか。

それから三重県の自然条件。各所の写真が張ってあった。おお、あの Ω 字状の峡谷に囲まれた集落は、熊野市の木津呂集落というところだったのか!

www.sankei.com

しかし三重県の自然を説明するのに、クマとかカモシカとか鳥類とか動物の剥製を多数展示してあったのは、少なくとも私個人としては、あまり好きじゃない。イノシシとウリボウの親子の剥製とか(本当に親子だったのかは知らないが)、ウミガメを産卵中の状態で剥製に仕立ててあるのとかは、トラウマになりそうだった。前衛画家を講師に呼んだどっかの大学みたいに訴えるぞ…というのはシックジョークという奴ですすみません。

蝶などの昆虫標本や、魚介などの海棲生物をアクリルに封入した標本は、平気なんだけど。

三重県は南北に細長く、南部は外洋に面したリアス式海岸と急峻な山地、北東部は遠浅の伊勢湾に面した平野、北西部は高原と盆地と変化に富み、それぞれに根差した暮らしがあることが、食膳のサンプルなどを示しながら説明してあった。

それから文化。熊野信仰、伊勢信仰はよく知られるところだが、神職でありながら伊勢参拝をあっせんする「御師〔おんし〕」という存在は、かなりのスペースを割いて展示・解説があったが、恥ずかしながら私は知らなかった。今日でいう旅行代理店のようなものか。

それから海運業者に関する展示も多かった。ただし紀勢本線の開通で、伝統的な海運業は一気に衰退したとのこと。紀勢本線の全通は、なんと戦後の1950年代後半(昭和30年代前半)を待たなければならなかったことも、私は知らなかった。

あと三井に代表される伊勢商人・松坂商人などなど…バスの待ち時間にはもったいない盛りだくさんであった。 

もう、沈黙はしない・・性虐待トラウマを超えて

もう、沈黙はしない・・性虐待トラウマを超えて

 

 

続いて四日市市市立図書館にも立ち寄った。「市」が三つ続くのが気になるけど、それが正式名称のようなので仕方がない。

いらんことだが、「市」が四つ続くケースはないかと考えてみたが、思いつかなかった。

なんで四日市を選んだかというと、三重県で人口最大の都市だからだが、それでも30万とちょっとということで、べらぼうに多いというわけではない。

東京の横浜、大阪の神戸のような港湾都市がなんで名古屋にないかというと、遠浅の伊勢湾では桑名、四日市、津、松坂、伊勢と、それぞれに特色ありそこそこ有名な港がいくつも分立して、どこも一人勝ちできなかったからではないかと思っている。

え? もう一つの200万都市である札幌の港湾都市にあたりそうな小樽や苫小牧も、人口はたいしたことない? いいじゃないかそんなことは!

 

今度は近鉄特急を使った。津駅は近鉄とJRの共同駅だが、近鉄四日市駅とJR四日市駅は離れており、近鉄駅のほうが目的地に近いのだ。

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2月23日付拙記事b:id:quick_past さんからブコメでいただいた助言に従って、西口からのバスを使用した。アドバイスありがとうございました。

反児童虐待・書籍寄贈の旅(その2)愛知県図書館&名古屋市鶴舞中央図書館 - しいたげられたしいたけ

この2つのどちらにもスガキヤがあるという 四日市の図書館は近鉄四日市からいくぶん離れているんで、手っ取り早く行くのなら駅西から出ているバスをおすすめします。

2019/02/24 01:09

b.hatena.ne.jp

乗り場は案内板を調べるとすぐわかった。2番乗り場から出るものならどれでも、とのことだった。

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主要路線の経路にあるらしく、本数が多かった。

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ただしバス停「市立図書館前」から現地までは、ちょっと離れていた。スマホの Google マップのスクショより。

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入り口。ん? 表記はみな「四日市市立図書館」と「市」は2つだぞ? どっちが正しいんだ?

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なんだか高いタワーのような建物が付属していた。

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中味は階段だった。2Fは郷土出身作家の展示スペースで、丹羽文雄や田村泰次郎らの著書が多く集められていた。3Fは学習室で、学生さんらが大勢自習していた。それより上には階はないはずだが、何のための階段だろう? 通行止めになっていて上れなかったので、わからない。

 

それはいいとして、1F図書館のカウンターで寄贈を申し出たところ、「審査の結果、受け入れられないことはあります」の説明はあったが、今回はすんなり受け入れてくれた。

ただし館内は撮影不可とのことで、受入れ書類の撮影はできなかった。代わりに切り取った控えをくれた。

あとで撮ったものだが比較的ちゃんと写っている。やっぱりどこも図書館の中は暗いのかな?

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次回はたぶん政令指定都市を二つも擁する静岡県へ。ひょっとすると別の用事がある京都&滋賀に、先に行くかも知れない。

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